看護師として働くための心得である看護観は、仕事の経験を積むほどに変化するといわれている。世間では患者に寄り添い、心の支えになる白衣の天使というイメージが定着している傾向にある。
そのようなイメージを抱いたまま医療の現場に立つ新米の看護師も少なくないが、仕事の性質上、多くの患者の生と死に直面するのもまた事実である。
自身の体への負担が大きい介助作業や、感染のリスクがある汚物処理も仕事の一部だ。世間で出回っている甘美なイメージが早々に崩れ落ちることも珍しくない。
医療の現場の実状を知る前と後では、看護観が大きく変わってしまうと言えるだろう。看護師は一時も気を許すことができないのだ。心身の緊張を強いられる仕事であることは間違いない。
看護師としての経験を積むことによって、患者への接し方も達観したものになるのが大きな特徴だ。新米の看護師は未熟な上に人の生死に関わる仕事へのプレッシャーから、自分が担当した患者に対して過剰に思い入れを抱く傾向があると言われている。
患者の体調の変化を我が身のことのように捉えてしまうのは、医療従事者としては決して良いこととは言えない。しかし、その一方で患者への気配りや労わりの心を強く意識する姿勢があるとも捉えられる。
経験を積んだベテランの看護師は、一見すると患者に対して冷淡な態度を取っているように見えるかもしれない。しかし実際は、特定の患者への過剰な思い入れをせず、公平に接することを心がけているのだ。
経験を積んだ看護師は、どのような状況でも俯瞰的な視点を持つことができると言えるだろう。
看護観についての知識は、《こちら》からでも収集できる。